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梱包の種類

梱包には様々な種類があります

konpo 一口に梱包といっても梱包容器の素材や形態によって様々な種類に分けられます。
素材別では、「木製梱包」「スチール梱包」「ダンボール梱包」
形状別では、「密閉箱」「透かし箱(木枠梱包)」「スキッド梱包」「パレット梱包」などです。
そのほか製品の保護に関する「バリア梱包」「緩衝包装」があり、これらは梱包容器と組み合わせて行います。
どの形式を選択するのかは、梱包する製品の形状や質量、大きさ、錆びやすいものであるか、振動への対応の有無、さらには最終目的地までの流通条件を考慮して選択することが必要です。 当社では木製梱包を主体とした梱包業務を行っています。その理由として、梱包に使う木材は計画的に植林されており環境負荷も少ない事や、他の素材に比べ加工が容易であるからです。

「国内梱包」

国内梱包 国内向け梱包は発送時に運送会社が梱包済貨物を貨物引受の要件にしていることによりご依頼されることが大半です。また、送り先で保管する際に製品の保護やハンドリングの容易さのために梱包を必要とすることもあります。国内の場合、離島などを除けば、輸送距離も短く、積み替えも多くありません。輸出に比べて荷扱いも丁寧なことから木枠梱包(透かし箱)が一般的です。このほか開梱を容易にするために造作ネジなどを使って梱包容器を組み立てる例も多く見られます。 さらに梱包・開梱を繰り返す場合(たとえば展示会出品)にはボルトを使って組み立てることもあり、この形は輸出梱包でも用いられます。(下の写真参照)

ボルトを使った梱包
ボルト梱包 写真のようにボルトを使った梱包は、通常の梱包よりもコストはかかりますが、釘に比べて開梱が容易で再梱包も可能です。こうした梱包は国内・輸出ともに用いられています。

「輸出梱包」

輸出梱包では、輸送方法が「海上輸送」か「航空輸送」かで考慮するポイントが変わってきます。海上輸送では海上コンテナまたは在来貨物船によって荷扱いが異なりますし、コンテナ輸送でも荷揚げ港でコンテナから取り出され(デバンニング)てトラックに積み替えられて目的地に運ばれることもあり、その場合より頑丈な梱包が求められます。一方航空輸送では梱包の軽量化が一番のポイントになります。
小型で軽量な製品では木箱やダンボールでの梱包が多く見られます。また、国内梱包のような木枠梱包(透かし箱)を用いることもあります。

木製梱包

普通木箱(JIS Z 1402 Ⅰ形)
普通木箱 内容品質量が1.5t以下の貨物の梱包に用いられる形式です。
国内梱包ではほとんどが普通木箱ですが、輸出用にもにも多く使われている箱です。普通木箱はⅠ形とⅡ形に分けられ、Ⅰ形は200KG、Ⅱ形は1.5tまで対応する輸送用木箱です。Ⅰ形、Ⅱ形ともに「密閉板張り」「密閉合板張り」「すかし板張り」の3種類に分かれ、国内梱包では「すかし板張り」がよく使われます。
Ⅰ形は体積が1m3以下となっているため、パーツなど軽量貨物の梱包や大型機械と同梱する内箱に用いられます。写真の胴桟で補強した胴桟箱は長尺の鋼材梱包など質量が1.5tを超える貨物の梱包に使用されることもありますが、この場合別途強度計算が必要となります。

腰下付木箱(JIS Z 1402 Ⅱ形)
腰下付木箱 腰下付木箱はⅠ形よりも重い貨物用の木箱です。JIS規格では外のり長さ6.0m以下・幅1.5m以下・高さ2.25m以下と決められています。
比較的簡易な形式の木箱で1t程度の貨物の梱包によく使われます。

外桟枠組箱(JIS Z 1410)
外桟枠組箱 普通木箱では対応できない貨物の梱包に用いられる形式です。以前はJIS規格ではなく日本梱包工業組合連合会が定めた「外桟枠組箱」という規格でしたが、2023年にこの規格をベースにJIS Z 1410が新たに作られました。この形式は、外のり長さ8.0m以下・幅3.3m以下・高さ3.3m以下で内容品質量10t以下まで対応する木箱です。こちらも「密閉板張り」「密閉合板張り」「すかし板張り」があります。
腰下付木箱と形が似ていますが、外桟枠組箱では側面下部に「かまち」と呼ばれる部材があるなど、より重い製品を輸送するために普通木箱に比べて部材が多くなっています。

枠組箱(JIS Z 1403)
枠組箱 重量貨物の梱包には写真にあるような「枠組箱」が一般的です。こちらも「密閉板張り」「密閉合板張り」「すかし板張り」の3種類があります。
JIS Z 1403であれば内容品質量が60tまで対応できます。しかしながら重量が増えるに従って使用する部材も大きくなるため、梱包後の容積が大きくなってしまいます。これに対応するため鋼材を補強材として用いることで容積を抑える方法もあります。

「スチール梱包」

スチール梱包 スチールを使った梱包も多く使われています。
密閉された箱や、写真のように中が見える透かし箱、さらにはスキッド梱包のスキッドをスチールで製作することもあります。
スチール梱包は木製梱包に比べて容積を小さくすることができる反面、一度作ってしまうと梱包時に微調整が難しいところがあります。
さらには、材料や容器を製造するコストが木製と比べ割高なため梱包費用は木製よりも高くなる傾向にあります。
またスチール容器はJIS Z 1403のような規格がないため、製造する会社が独自に設計し、梱包を行っています。このため似たようなスチール容器でも梱包会社によって細かいところが違っていることがあります。木製梱包との比較では製品の形状にもよりますが、製品重量が20~30tを超えるか否かが輸送費用も含めたトータルコストでのスチール梱包使用の基準の一つと考えられます。

「スキッド梱包」

スキッド梱包 木箱などのように周囲を覆わず、腰下(Skid)に製品を固定しただけの梱包方法です。木製やスチールにより腰下を作製しますが、輸出梱包においてはコンテナと組み合わせてコンテナを外装容器と考えています。梱包費の低減が図れますが、複数の製品を同梱することが難しいことや、コンテナ混載(Less than Container Load:LCL)では輸送費が同容積の木箱に比べ高くなることがあること(上積みできないため積載効率が悪くなるため)やコンテナから搬出(デバンニング)した後の保管時に製品の破損が起きやすいなどの短所もあります。この形式では一つのコンテナを借り切るだけの大きさがある貨物(Full Container Load:FCL)では有利な梱包方法といえます。

「ダンボール梱包」

ダンボール梱包 軽量貨物でおなじみの梱包方法です。一般的なダンボールだけでなく、ダンボール原紙を張り合わせて強度を持たせた二層ダンボールや三層ダンボール(強化ダンボール)では重量のあるものも梱包できます。
また、比較的重い貨物にはスキッドと強化ダンボールを組み合わせた梱包もあります。
ダンボールは軽量で扱いやすい反面、水濡れに弱いほか、長時間積重ねたままにしておくと箱が変形することがあります。ダンボール梱包を安価にするためには、製造コストを下げるためある程度の数量が必要となり、準備の時間がかかります。
一点物では大きさによっては木箱の方が納期、コストで優位となることがあります。

パレットとの複合梱包

複合梱包 パレットやスキッドに強化段ボールをかぶせた形の梱包です。製品を直接ハンドリングすることができ、段ボールの強度の範囲内であれば積み重ねも可能です。
この写真では重量100kgを超える製品を積み重ねています。この場合、通常のダンボールに比べコストは高くなりますが、コンテナ輸出の場合、製品の内容にもよりますが木箱よりも多くの製品をコンテナに積み付けることができます。ただし、通常のダンボール梱包と同様、製造コストを下げるためにはある程度まとまった数量が必要となります。

危険品用ダンボール

Skid梱包 危険品を送る場合、国連規格を満たした特殊なダンボールを使うことが多くあります。容器の分類が「4G」であることから一般的に「4Gカートン」と呼ばれています。日本でも製造されていますが、大半は輸入品です。

「パレット梱包」

Palette ダンボールなどで個装された貨物をパレットに積み付けるものです。パレットの材料は、木材、プラスチック、スチール、アルミ、強化ダンボールなど様々です。材料により一長一短があります、たとえば木材は日本では最も多く用いられ、比較的安価で製造することができますが、輸出用では熱処理が必要な場合があります。プラスチックは、大量生産されていますがサイズが限られています。スチール、アルミは他の材料に比べて強度がありますが、材料費は木材より高価です。強化ダンボールは軽量ですが、水濡れに弱いという短所があります。
一般には1100x1100mmのサイズが多く使われていますが、積載する製品に合わせたサイズも作られています。パレットは破損するまで繰り返し使うことができ、通いパレットのように拠点間を行き来する使い方もされています。
積み付けた製品はストレッチフィルムやP.Pバンドなどで固定し荷崩れを防ぎます。軽量貨物では一般的な梱包方法です。
輸出にあたって、国内用として熱処理などを行っていない木製パレットを梱包材規制の対象国への輸出用に用いることはできません。その場合、改めて処理をした木材を使ったパレットに載せ替える必要があります。

「バリア梱包」

バリア梱包 主に輸出梱包において輸送中に製品の錆の発生をを防ぐためにおこなう内装方法です。梱包の形態に関わらず行われ、製品をバリア材という湿気を通しにくい材料で完全に覆い、さらにバリア内の空気を抜いて内部の水分を排出します。内部が陰圧になるので時間の経過と共に徐々に湿気は浸入しますが、内部に乾燥剤を入れることにより湿度が上昇するのを防ぎます。
バリア材はアルミを蒸着した不透明なメタルバリアだけでなく、内部にケイ素など湿度を調整する粉末を塗布した「透明バリア」といわれるものもあります。このバリアはガラスのように透明ではありませんが、メタルに比べある程度バリア内部を見ることができます。こうしたバリアは輸出先の税関検査の際、バリアをはがさずに銘鈑を確認しやすいようにするために用いることがあります。
また、バリアで覆う前に気化性防錆フィルム(Volatile Corrosion Inhibitor:VCI)で製品を包んで防錆効果を高める方法も行われます。このほか特に錆対策が必要な製品ではバリア材の内部に窒素ガスを封入して内部に酸素がない状態にする方法も用いられます。この方法は通常のバリア梱包よりも時間、コストともに多くかかります。
バリア梱包ではしっかりと封緘すること、乾燥剤を適正に用いることが重要です。

防錆フィルムによる梱包
防錆フィルム梱包 バリア材との組み合わせだけでなく気化性防錆フィルムといわれるポリエチレンシートなどに気化性防錆材料を塗布したフィルムで製品を包む方法もあります。このフィルムは湿気に反応することで製品表面全体に被膜を作ることで製品と湿気が接触することを防ぎます。気化性防錆フィルムはバリア材に比べ高価です。

「緩衝梱包」

緩衝材 振動に弱い製品に対し輸送中の振動・衝撃を和らげるための梱包方法です。包装容器の内部に緩衝材を置くなどして、衝撃を吸収します。代表的な緩衝材には気泡シート(プチプチ)、発泡スチロール、発泡シート、片面ダンボールなどがあります。小型の製品では形に合わせて材料を成型するパルプモールドもあります。緩衝材の種類によって衝撃吸収力は異なり、気泡シートやダンボールのように一度衝撃を受けてつぶれてしまうと元に戻らずに衝撃を吸収しなくなるものもあります。緩衝材はこのほかに包装容器と製品の隙間を埋めたり、製品の表面保護として使われることもあります。
振動・衝撃に注意を要する製品では、緩衝材の衝撃吸収力を計算して保護を考えることになります。
これ以外にも重量のある製品では包装容器の内部にバネなど用いて製品を浮かせることにより衝撃を受けないようにする「吊り梱包」という方法もあります。

製品に合わせた梱包の選択が重要です

ここでご紹介したように梱包方法は様々な種類があります。それぞれに長所と短所があり、製品によっては適用が難しい梱包方法もあります。こうしたことから梱包方法の向き不向き、輸送費用も含めたトータルコストを踏まえて梱包方法を選択する必要があります。

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